私たちは日頃、自然や科学の世界の中で目を通して、美しいなぁと感動したりしています。
その目に映る何百万という色の識別には、人の場合、赤・青・緑の三原色の組み合わせからできているということは一般的にも知られていることです。
では、魚の世界、またメダカの世界ではどんな色を使って識別しているのでしょうか。
メダカは9色の色を使って識別している?
え?9色?と、疑いたくなりますが、私たち人間は空気という透明の中で生活しています。
魚類はどうでしょうか?
魚類は水の中で生活していますね。
この生きている環境の中で生活していくために適応すべく九つの色が必要になって進化してきたと言えるのです。
水の中で色を判断するには光の届く量が、水の深さによって変わってきます。
この深さの関係で水中から浅瀬を見る角度、あるいは深いほうを見る角度と5色まで増え、さらに海用、川用と生活環境の変化でなんと8色を使って識別するようになっているのです。
驚くべきことにメダカはなぜかさらに1色増えて9つの色で識別をしているのです。
色覚の研究家で東京大学の河村正二教授の研究では、魚は海から川へ、浅い所か深いところへと環境の異なるところで生活するので、その環境すなわち光入ってくる角度などに適応するために進化しているとおっしゃっています。
また海の色が青色に見えるのに比べて湖の色が緑色に見えるのは植物プランクトンなどでの影響ではないかとおっしゃっています。
(河村教授は視覚オプシンのレパートリーという分類で、赤型・緑型・青型・紫外線型・棹体型の5色が基本になって、そこからさらに9色に増えているとのことです。)
まとめ
物体を判断する視力・幅広い範囲を見る視野・物体の色を識別する色覚の三つの機能によって私たちはいろいろの物体を見ています。
もっと詳しい説明によりますと、波長の長い、短いの違いによって光線を識別できる感覚、その感覚のことを識別といっていますが、それぞれの生物の住環境によって識別は進化しています。
脊椎動物の中でも、哺乳類、霊長類が三色で物を識別しているのに比べて、鳥類、爬虫類、魚類などでは五色を使って識別していると言われます。
なかでもメダカはさらに進化して九つの色で識別しているらしいのですが、なぜほかの魚類と比べて多くの色を使って識別する理由はなぜなのか、さらに細かく究明されていくのでしょうね。